SBI証券における外国株式移管時の取得単価表示不具合
先日、マネックス証券からSBI証券へ米国株を移管する際にかかった日数と題した記事にてマネックス証券からSBI証券に保有株式を一斉に移管したのですが、どうもSBI証券にて取得単価がおかしな表示となっていたため問い合わせて確認を行いました。
結論から言うと表示は確かに不具合があるものの、税金処理への影響はないとのこと。
取得単価の表示不具合
NVDAやMSFTをマネックス証券からSBI証券へ移管したのですが、NVDAは取得単価が「16.04ドル」の表示でMSFTは「--」と価格が表示されていません。NVDAは2024年6月に1:10の比率で株式分割しているので分割前の取得単価は約160ドル台であったという表示になっています。
この価格帯でNVDAを購入できていればよかったのですが、実際には200ドル以降から買い集めていた銘柄のためこの取得単価は一度も購入できたことのない価格であり異常です。見かけ上の損益率や損益額も実態以上に良い数字となっており、これを売却したときに税金が必要以上に発生してしまわないか心配になります。
問い合わせの結果、税金への影響はなし
問い合わせた結果、税金が必要以上に発生することはないことが分かりました。SBI証券では外国株式を他社から特定口座間で移管した場合、外貨ベースの取得単価は引き継がれない仕様となっていたことが今回の原因であることも分かりました。
下記に要点をまとめておきます。
表示上の問題
既にSBI証券で購入履歴のある銘柄を移管した場合、「口座管理」画面にはSBI証券で購入した株式の取得単価のみが表示されます。移管による取得単価は反映されません。
つまりSBI証券で移管した銘柄を既に保有していたり、後から購入をするとSBI証券で直接購入した金額のみが取得単価の計算に使用されるため取得単価の計算結果がおかしくなるということです。今回の私のNVDAの場合、マネックス証券から移管した後にSBI証券で買い増しを行っていました。
取得単価の表示 = SBI証券上で直接購入に要した費用 / (移管した株数 + SBI証券上で購入した株数)
この結果NVDAは取得単価が実態よりも安く表示されていたようです。MSFTは移管後に触っていないため「--」となっていたことも併せてこの理屈からわかりました。
取得単価の編集機能の有効範囲の誤解
SBI証券では外国株式の買付単価を編集することのできる機能がヘルプページに掲載されていますが、この機能によって編集したとしても最もよく使用するであろう「外貨建口座>口座管理>口座サマリー」の画面上での表示には反映されないとのことです。
外国株式を他社から移管入庫した銘柄の買付単価を編集するにはどうすればよいですか?
同じSBI証券なのですから全ての表示部分に反映してほしいものですが、現時点ではそういう仕様だそうです。
譲渡損益計算/税金への影響はない
外国株式の移管時、外貨での購入単価は引き継がれないことが今回の問題の発端ですが、円貨での購入単価は問題なく引き継がれているそうです。このため税金に関係する損益計算に関しては正しく計算が行えているとのことです。
外貨建商品取引サイト > 口座管理 > 口座情報 > 保有証券・資産の画面から円貨での取得単価が引き継がれていることが確認できます。