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特定銘柄が割高な水準かどうかを推し量る方法

#投資戦略#トレード戦略

特定銘柄が割高な水準かどうかを推し量る方法

決算期になると、その企業の決算内容によって株価が大きく変動することがよくあります。その際、投資家たちは「割高」とか「割安」といった現在の株価に対する評価を考えますが、それを判断する基準は何なのでしょうか?具体的に、どの株価水準までなら買いたいと思うのか、売りたいと考えるのか、その判断基準は一般的にどのようになるのでしょうか?

市場には無数の考え方がありますが、比較的多くの投資家が参考にする代表的な指標を使用することで、ある程度推測できます。この記事では、決算結果と現在の株価から割高か割安かを算出する方法について詳しく説明します。

結論:将来の企業の見通しと市場平均を比較する

「好決算」と評価される企業への投資を検討する際、投資を始めるタイミングが遅くなるのではないかという心配が浮かぶことがあります。しかし、まだ割安であるかどうかを判断できれば、自信を持って投資できるでしょうし、逆に売るべきタイミングが分かるかもしれません。この判断は、将来の業績を予測し、市場平均と比較することで行えます。

株価収益率(PER)を用いる

PERは株価を1株当たり純利益(EPS)で割った値で、同業他社のPERと比較することで、割高か割安かを判断するのに役立つ指標です。今回は、セクターではなく市場全体と比較するため、S&P500のPERと比較しましょう。

S&P500のPERは2023年9月時点で約25倍です。つまり、25倍を超えるPERは割高とされ、下回る場合は割安とされます。

Teslaを例に割高か考えてみる

今回は具体例としてTeslaを取り上げてみましょう。記事執筆時点のTeslaの株価は274.39ドルで、EPS(TTM)は3.48ドルです。したがって、現在のPERは78.8倍であり、市場平均と比較して非常に割高と言えます。

ただし現在のPERだけを見るのではなく将来においては割高でないと考える投資家も多いため、次にTeslaの将来のPERを検討してみましょう。

2024年のEPS予想は4.66ドルで、約30%の成長が期待されています。この予想を元に再計算すると、PERは58.8倍となり、まだまだ割高ですが、1年後を見越すとPERが安定してきていることがわかります。

Teslaは高い成長率を誇り、売上高は直近2年で毎年50%以上増加し、EPSの成長率は120%を超えています。約30%のEPS成長が2025年にも続けば、EPS予想は6.05ドルとなり、PERは45.3倍になります。

株価$274.39固定に対するコンセンサス適用時のPER

指標202320242025
EPS$3.48$4.66$6.05
PER78.8倍58.8倍45.3倍

45倍のPERはS&P500と比較してまだ高いですが、成長企業の中では突出して高いわけではありません。さらに次年度を考えると、より魅力的に見えるでしょう。

個人的には、Teslaが割高かどうかよりも、アメリカ経済全体の状況に注意が必要です。経済が不調になる可能性を考えると、個別の銘柄が割安であっても、株式市場全体が売られる可能性があるため、慎重な判断が必要です。