決算紹介 | Shopify (SHOP) 2021Q2
Shopifyの2021Q2の決算における質疑をピックアップして紹介します。
決算概要
- EPS: beat
- 売上: beat
詳細はSeeking Alphaなどニュースにまとまっているので参照してください。
ShopPayの発表について
四半期中のShopPayの発表にて、Shopify以外のプラットフォームでShopPayボタンを利用できるようになりました。ShopPayボタンをフルスタック処理ソリューション化してStripeと接続することで、PayPalの対抗馬となることはできますか？
また現在Shopifyはブラジルで大規模なグローバルブランドで稼働していると聞きましたが、その巨大ブランドがShopifyをブラジルに引き込んだのですね。今後その地域でどのような成長機会を得られるでしょうか？
国際的な事業は当社のビジネスと成長ストーリーにとって重要な部分であることは変わりありません。実際に北米以外のマーチャント比率は前年同期比で増加しています。
また2021Q2の北米以外地域のGMV(流通取引総額)の伸びは北米地域を上回っています。これに分かるようにShopifyを導入し成功する海外マーチャントが増えています。必ずしもブラジルに焦点を当てているわけではありませんが、世界中のマーチャントが小売用のOSを求めておりShopifyを気に入ってくれているようです。
Shopifyは彼らの望む販売方法を手助けすることができ、ShopPayはインターネット上で決済するための最良の方法だと考えています。マーチャントにとってはコンバージョン率の向上、消費者にとってもスピーディーな決済ができるため喜ばれています。なのでFacebookやGoogleといったより多くの場所でShopPayを利用できるようにすることは、Shopify加盟店以外にとってもビジネスを発展させる方法だと考えています。
ShopPayが成功している理由はShopifyのプラットフォームに合わせてカスタマイズされているからだと考えています。その垂直統合性を超えてしまうと差別化要因の多くを失うことになると考えているため、そのような計画(PayPalの対抗馬)はありません。
テイクレートの段階的軽減の影響
Shopifyでのデベロッパーに対して最初の100万ドルまでの収益に対して手数料を徴収せず、また手数料の比率を20%から15%へ引き下げることの財務への影響はどうでしょうか？
Uniteで発表されたApp Storeと収益モデルの変更はShopifyの下半期および通期の業績にとって重要ではありません。Shopifyにとっては重要ではありませんが、パートナーであるデベロッパーにとっては重要であると強調します。これはマーチャントとパートナーにとって正当で長期的な利益であり、デベロッパーがより革新的で創造的になり、より稼げるようになると信じています。
従ってこの変更は短期的な下半期の収益源となりますが、長期的に十分な利益となると考えています。
COVIDによるマーチャントの増加
COVIDにより新たなマーチャントが多くShopifyを利用するようになりましたが、その新たなマーチャントの定着率はどうでしょうか？
過去1年間に加えてCOVIDを通じて増加したマーチャントの定着率は非常に強力で、特にCOVIDの最盛期に90日間の無料トライアルを実施した期間で顕著です。この期間は急いで確立された商流も含まれていたため、現在はCOVID依然と同じ水準の属性に戻っていますが、マーチャントの定着率は過去数四半期にわたりCOVID以前よりも強いです。
まとめ
Shopifyが新たに発表した決済方法「ShopPay」がShopify加盟店以外でも利用できるようになった事についての質疑がありました。
フルスタックな開発が可能な決済手段の先駆者であるPayPalの対抗馬となれるかとの問いに対して、明確に否定しています。現状はあくまでもECソリューションの提供を主とし、決済事業への踏み出しは控えるというメッセージであります。
Epic GamesとAppleの構想で話題を集めたApp Storeの手数料問題ですが、Shopifyも自身のストアにおける手数料の切り下げを行っています。特に現状で大きな批判が出ていたとは思いませんが、この決定でShopifyがより優秀なアプリを誘引できるようになり却って利益へ貢献することになるはずというのが経営陣のビジョンだそうですね。
Shopifyの利用者であるマーチャントも力強く定着しているとの回答もあり、Amazonなどが苦戦するECセクターの中でShopifyは安定感があるようです。
