米国銘柄分析 | Intuit Inc(INTU)
今回は会計ソフトウェアで知られるIntuit Inc. (INTU)について紹介します。
Intuitは中小企業向けの会計ソフトウェア「QuickBooks」や所得税計算ソフトウェア「TurboTax」で知られており、会計や税務の分野をクラウドベースで簡易に行えるようにすることで価値を創出している企業です。
1983年にQuickenという会計ソフトウェアからスタートした企業です。Microsoftと競合するなど窮地に陥るもウェブ上の製品への舵切りが上手くいき現在に続いています。Quickenブランドは既に他社へ売却していますが。
企業概要
財務管理とコンプライアンスに関する製品サービスを提供するIntuitは、中小企業や消費者および彼らと契約する会計士を顧客としています。それらの主力ブランドとしてQuickBooks、TurboTax、Mint、Credit Karmaが知られています。
Intuitは世界の反映をサポートすることを使命としており、税金の還付を最大化し債務の返済を助けることで起業家となる大胆な決断をした人々の成長の支えとなることを目指しています。クラウドを基盤としたプラットフォーム上でAIの積極的な活用により、円滑な判断を行えることを強みとしている企業です。
季節性・顧客の偏重
Intuitの製品は決算や税務が関係しているため、その売上と収益が11月から4月に集中してます。四半期別の決算の推移を確認する場合、Q2決算とQ3決算に収益が偏る傾向にあることを踏まえておく必要があります。
2021年7月末時点において総収入の10%以上を占める顧客は存在しないことが明示されており、顧客はよく分散されている状態です。
事業セグメント
セグメント | 概要 |
---|---|
Small Business & Self-Employed | スモールビジネスを対象とした、主にQuickBooksによる給与や支払処理 |
Consumer | 個人向け。税金計算を円滑に行うためのTurboTax、家計簿管理のMint |
ProConnect | 会計士向けの一連の税務サービス |
Credit Karma | ローン、保険、預金口座などの推奨サービス |
収益割合の多くはQuickBooksとTurboTaxが占めています。地域性としてはほとんどのセグメントはアメリカで事業を行っており、アメリカで収益を上げています。
抱えるリスク
Intuitの製品はクラウドベースへの移行に成功しており、データはクラウド上で集積されることと経理という積み重ねが生きるデータを扱っていることから高い参入障壁を持っていると考えられます。
しかしIntuitが取り組んでいるように、人工知能を用いた金融分野に関するアプローチはますます今後も盛んになっていくことが予想されています。多くの集積されたデータをIntuitは活かせる立場とは言え、人工知能の継続的な改善に失敗することがあれば後続の競合企業に優位性を縮められる可能性は十分考えられます。
また金融というセンシティブなデータをクラウド上で扱っているため、ハッキング被害にあい顧客データが漏洩した場合は深刻な損害が発生する可能性があります。
決算データ
StockRowから取得したデータをグラフ化して掲載します。
業績の推移
売上高が右肩上がりを続けており、資金効率を表すROICも高い水準を維持していることが好感です。
キャッシュフローの推移
高い営業キャッシュフローマージンはビジネスが現金を生み出す高い力を持っていることを表しています。
1株当たりの業績の推移
記事執筆時点(2021/8/21):INTUのホルダーであるためバイアスがかかった内容の可能性があります。