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2023年前半戦、債券市場は不景気に賭けている

#市場動向#債券

2023年前半戦、債券市場は不景気に賭けている

金利と言えば、日本で米国株に関心のあるTwitter投資家なら多くが知っているインフルエンサーがことあるごとに「金利を見ろ」と言っていたことを思い出します。

なので2023年3月時点でのアメリカ国債の金利を見てみると、長短金利差が逆転しており危険信号とされます。

  • 2年物利回り:4.5%
  • 10年物利回り:3.7%

つまり債券市場は今後のアメリカ経済は景気後退を予想していると見て取れます。

長短金利差の逆転

長期金利と短期金利の差が逆転する現象を「長短金利差逆転」と呼びます。一般的に「イールドカーブの逆転(逆イールド)」とも呼ばれ、経済について懸念があることを示唆しています。

なぜ投資家にとって長短金利差が警戒されるのかを理解するために、まずはそれぞれの金利が高いときに債券市場が考えていることを理解する必要があります。

長期金利 > 短期金利 (通常)

長期金利が短期金利よりも高い場合、市場はインフレ(経済の成長)を期待していることを示します。長期債券が将来において複数回行う利息支払いについて、将来予想される金利水準に応じて現在の価値を計算するため、インフレが予想される場合は短期金利よりも高い金利が要求されるためです。

短期金利 > 長期金利 (警戒)

短期金利が長期金利よりも高い場合、市場は経済の後退すなわち景気後退を予想していることを示します。景気後退時には中央銀行は短期金利を引き下げる経済刺激策を導入するため、長期金利が下がるためです。

長短金利差逆転が起こると、市場参加者は長期にわたる景気後退を予測し、景気後退に備えて安全な資産クラスに投資することが増えます。このため株式市場や不動産市場などのリスク資産は下落し、国債や貴金属などの安全資産は上昇する傾向にあります。なので株式投資家にとって長短金利差の逆転は警戒すべき危険信号というわけですね。

さて、2023年3月の債券市場はこのように経済の失速を予想しているわけですが、著名な投資家の中でも債券市場と同じ予想をしている人もいれば、株式市場の勝利を予想している人もいて意見が分かれているところです。どちらが正しいんでしょうね。まだまだ波乱の市況となりそうです。