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米国銘柄分析 | General Dynamics(GD)

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米国銘柄分析 | General Dynamics(GD)

**General Dynamics(GD)**について紹介します。General Dynamicsは商業ジェット機と防衛分野で知られる企業です。アメリカの国防を担う企業の1つであり、特に潜水艦技術に秀でていることが有名です。

企業概要

General Dynamicsは1952年に設立されて以来、航空宇宙と防衛産業に関与してきた企業です。

1952年から1990年代までは戦車、ロケット、ミサイル、潜水艦、軍艦、戦闘機に電子機器と軍隊に関連するあらゆる分野を手掛けていましたが、1990年代初頭に軍用車両と潜水艦を除いたすべての事業ポートフォリオを売却しました。代わりに商業ジェット機ブランドのガルフストリーム、戦闘車両関連事業やITサービス、造船所の買収することで注力する分野を明確化して現在に至っています。

世界初の原子力潜水艦を建造した造船所であるエレクトリックボートはGeneral Dynamicsの傘下です。

プロダクト・サービス

General Dynamicsは事業を5つに分類しています。

セクション別の売上推移

2020年度はコロナ禍の影響で例年とは様相が大きく変わってしまうため、通常のビジネスの状況を確認するという観点でコロナ改善のデータを使用したグラフになります。単位は$ Milです。

航空宇宙

Gulfstream Aerospace

航空宇宙分野は、Gulfstreamというブランドで知られる商業ジェット機シリーズと、メンテナンスやチャーターなど包括的なサービスを提供するJet Aviationで構成される事業領域です。

Gulfstreamは一般的に飛行機でイメージされるようなジャンボジェット機ではなく、富裕層が所有するビジネスジェット機やプライベートジェット機といったラグジュアリーな用途で利用される航空機です。ただ製造して販売するだけでなく、世界各地の空港に持った拠点でメンテナンスなどアフターケアまで行える点を強みとしています。

利益寄与の割合はさほどないだろう小ネタの領域ですが変わった視点を紹介します。Gulfstreamのビジネスジェット機はNASAスペースシャトルの着陸訓練機として使用されています。スペースシャトルは基本的に実機での操縦訓練を行う機会が少ないため、代わりにスペースシャトルの飛行中の特性を似せたGulfstreamで大気圏内での訓練を行っています。NASAによれば機長席のコクピット内装が変更されており、機長席はスペースシャトルとそっくりの内装となっているそうです。(探すとNASAが画像公開をしているようです)

売上201720182019
航空機製造$6,320$6,226$7,355
航空機関連サービス$1,743$2,096$2,154
中古機$66$133$292

コンバット・システム

陸上で活躍する戦闘車両に関する分野で、ストライカーシリーズとして知られる戦闘車両やエイブラムス主力戦車などを扱っています。アメリカ軍だけでなく、アメリカの同盟国に対してもサービスを提供しています。

エイブラムス戦車、ストライカー装甲車両、LAV、AJAX 装甲戦闘車輛などは軍隊を取り扱った映画やゲームなどへの登場も多く、見たことのある人も多いかもしれません。

売上201720182019
軍用車両$3,731$4,027$4,620
武器システム、弾薬類$1,633$1,798$1,906
エンジニアリング$585$416$481

海洋システム

USS Jason Dunham, DDG-109

General Dynamicsは原子力潜水艦、水上戦闘艦、補助艦艇など高い専門技術を要する艦船の設計、製造、修理を可能な造船所をアメリカの両海岸に有しています。保有している造船部門としてバス鉄工所、エレクトリックボート、NASSCOがあります。

バス鉄工所はアーレイバーグ級やズムウォルト級といった駆逐艦やフリゲート、巡洋艦の建造で知られています。エレクトリックボートはバージニア級やコロンビア級といった原子力潜水艦を手掛けています。NASSCOは支援船と商業船を手掛けており、アメリカ海軍が政治的な理由などから港を利用できない場合でも作戦を遂行するための機動揚陸プラットフォームなどの実績で知られています。

中でも原子力潜水艦を建造できるのはGeneral Dynamicsのエレクトリックボートと、競合であるHuntington Ingalls Industriesだけであると言えば、どれだけの高い技術力を有しているかが伝わるでしょうか。

売上201720182019
原子力潜水艦$5,175$5,712$6,254
水上艦$1,607$1,872$1,912
修理サービス$1,222$918$1,017

情報技術

国防総省や諜報機関、州政府など専門性を要求されるシステム構築を行う事業領域です。安全なネットワークインフラストラクチャ、特殊作戦群や防衛機関が利用する技術的サービスの提供を行います。

また現代の軍隊はとにかく兵士の教育に多大な費用を要する時代となっており、いかに高度な訓練を安価に行えるかに注目が集まっています。そういったトレーニングに対するニーズを満たすための仮想訓練なども手掛けており、General Dynamicsは情報技術分野を次の成長分野としてフォーカスする意向を見せています。

ミッションシステム

高度に情報化された現代軍隊の作戦を支える安全な通信システム、作戦指揮システム、センサー機器など特にミッションクリティカルな分野を手掛ける事業分野です。

通常とは全く異なる作戦行動中の兵士たちが通信を行い続けるための通信網、潜水艦などに搭載する戦術制御システムといった機密性の高い分野であるため特に参入障壁が高く、50年以上アメリカ軍と歩んできた General Dynamicsの強みを感じる領域です。

業績

業績の推移

利益率の推移

キャッシュフローの推移